- 目次
- 1. 数学のバックグラウンド GREEでのリサーチ
- 2. チケミーとの出会い
- 3. チケミーが見据えている未来
- 4. COOの仕事 戦略と泥臭い実行
- 5. これからのチケミー
- 6. 編集部より
株式会社チケミー(TicketMe) COOの赤塚さんにお話を伺いました。 チケミーは、NFTチケットやNFT引換券の販売プラットフォームを提供しています。
チケミーとの出会いエピソードやご経歴をお伺いして、クリプト領域で事業戦略を練るにあたって必要な知識を培ってきたプロセスが垣間見え、非常に勉強になりました。
赤塚さん | 株式会社チケミー COO
フォロワー数10万人を超える、数学を愛する会会長。くりぷと輪読会ファウンダー。
数学のバックグラウンド GREEでのリサーチ
まず、赤塚さんのご経歴から教えてください。
クリプトに入る前はどんなことをなさってたんですか?
クリプトに入る前は「数学を愛する会」をやっていたんですよ。
ぼくが高校1年生の時に立ち上げた会なのですが、ひたすらぼくが数学の愛を語る、発信し続けるというところから始まりました。
同好会のように、問題を作ったり数学について話し合ったり質問したりという場所を提供していて、そこの会長をやっています。
今は「数学を愛する会」のフォロワーが11万人います。
そこから角川から本を出版したり、TVに出演したりなど、数学を広めることをやってきました。
今も学生ですか?
早稲田大学の3年生です。たまたまですが、宮下君(チケ男さん)も同じです。
そこから、クリプト・ブロックチェーンに触れたきっかけは何でしたか?
ぼくが入ったのは、本当にNFTとかが流行り初めて、OpenSeaすごいとか言っていた時期で、丁度Axieとか盛り上がってきた時期です。
早稲田の先輩から、これからメタバースとNFTが来るよって教えてもらって、数学などの経験を生かして働いてほしいと誘われたのが、Suishow株式会社というメタバース系の会社でした。
創業期にマーケティング職で入って、ここのツイッターのフォロワーを0から1万人までにしました。
最初はふわっとしたイメージで、NFTは改ざんできなくて唯一無二でみたいな勘違いをしたまま触っていました。
実際に勉強しておもしろさにはまったのが、ビットコインのホワイトペーパーを読んだ時です。無名のエンジニアが通貨を一人で発行したというのに魅力を感じて、クリプトが好きになりました。
そこから、メタバースよりもっとクリプトネイティブな仕事がしたくて、いろいろインターンをやっていたんです。
その中で一番勉強になったのが、GREE株式会社でインターン生として、クリプトのリサーチをしていたことです。
1週間のスパンで、毎週ブロックチェーンのプロジェクトを調べてきて、ニュースをキャッチアップして、それをGREEのREALITYの企画に落としこんだらどうなるのか企画書に書いていました。それを3ヶ月やり続け、そこでかなり知識がつきました。
最終成果物として、GREEが日本でどうやってトークンエコノミーを展開するかについて社内で特許を取得する流れとなりました。
そこが一番ぼくが成長した時期ですね。クリプトの知識がそこで身に付きました。
教えてもらった訳ではないのですが、その環境がすごくよかったです。
REALITY CEOの荒木さんという方が的確な質問をしてくるので完璧に理解しなくてはいけなかった、あの環境があったからこそ一番勉強して成長しました。
その後は、ハッカソンやイベントなどに行きはじめて、クリプト輪読会を始めたのが、2022年8月ですね。
その頃は、いろんなイベントは多かったけど勉強会というのはなかったので、1つのテーマを深堀していくギークな会を作りたいという話になって始めました。
好評だったので、UniswapやIPFS、Arweaveなどをテーマに定期的に開催しています。
直近開いたAccount Abstraction の輪読会では、100人くらい集まりました。
やはり知識を取り入れるオフ会みたいなのは需要があるんだなと思いました。
仕事面では、今はticketme以外だとYGG JAPANに籍をおいています。
YGG JAPAN ではどんなお仕事をされてたんですか?
トークンの設計です。
GREEでの特許申請もトークンエコノミクスに関するものだったのですが、実際にトークンを出すにはたくさん考えなきゃいけないことがあるんですよ。
アロケーション、Cliff(クリフ)や、DEXの流動性をどれくらい入れるか、どこでロックアップさせて、どれだけ流動性を担保するか、主要KPIや必要なユーザー獲得数とそれに伴うマーケティングコストなどを計算する必要があります。
今までなかったポジションで、専門性が高くて適任者がなかなかいないです。
チケミーとの出会い
なぜチケミーかとよく質問されますが、1番伸びると思ったからです。
— ikkun∈チケミー (@0xikkun) December 17, 2022
その後にチケミーにジョインされたのですね。
社長のチケ男さんとはどういった出会いだったんですか?
共通の知人がいて紹介してもらいました。Microsoftでスタートアップ支援をしているユフォンさんという方です。
ぼくは、チケミーのサービスは聞いたことがあるけど、あんまり知らない程度でした。
これから伸びる会社はどこだっていう話をしていた中で、ユフォンさんがチケミーを推しているって言うんですね。
チケミーはMicrosoftの支援プログラムに採択されており、今でもユフォンさんにサポートしていただいています。
この時の出会いが結構おもしろくて、最初ぼくは、「NFTチケットはありきたりでおもしろくない」って言ったんですよ。
そしたら宮下君を呼ぶから話してみてとなり、実際に話してみたらとぼくが思っていた視点よりも広い視点を宮下君が持っていて、その時にこれは伸びるなと確信しました。
チケミーが見据えている未来
(pivotより引用)
詳しく教えてください!
まず、一番関心したのがNFTをチケットとすると言った時に、普通思い浮かべるのってイベントとかのチケットじゃないですか。
彼はもっと広いところを見ていて、リアルな商品券との引換券、不動産や証券のすべてをチケットとして考えているんですよ。
将来的に不動産や大きいマーケットを見ていますが、その布石としてのチケットです。これまでのチケットサービスとは狙っているポジションが違うんですね。
これを言われた瞬間に、「なるほど、チケットサービスを一番最初にやっているのが、オンボーディング効果が高いからだ」と理解できました。
誰か1人が100人のイベントを開いたらユーザーが100人増えるじゃないですか。
ユーザーが大量に増えるのがチケットサービスで、そこからグッズに誘導して、次は不動産にっていう導線をどんどん引けるんですよ。
クリプトはただかっこいいサービスを作るだけでは、越えなくてはいけないハードルが多すぎて実際には使われません。ウォレット作ったり、金融知識が必要だったり。
その辺の女子高生にクリプトって知ってる?って聞いても知っているとはならないです。
チケミーはイベント参加を通して、NFTの導線を引っ張っていろいろなサービスに持っていける、日本でマスアダプションできるとしたらこういうサービスだと確信しました。
さらにすごいところは、泥臭い営業が利益に繋がるところです。イベント開催って営業したら絶対数字が取れるじゃないですか。
この泥臭さが数字に繋がるところがスタートアップって感じがして、これを作り上げた彼に魅入られました。
そこで、ぼくだったらもっとこうする、例えばふるさと納税や地下アイドルの市場を取りに行くのはどうか、といった会話をして相乗効果がありました。
彼が持っている視点をぼくが理解して、ぼくがその場で+αのフィードバックをできたので、その日のうちにCOOにならないかと誘われてました。
いきなりのことだったので、戸惑いましたが、とりあえず少し手伝うだけということで、1カ月くらい手伝っていました。
手伝っていくうちにチケミーが伸びることへ強い確信を持てたので、COOになったという運びです。
COOの仕事 戦略と泥臭い実行
チケミーの中ではどのようなお仕事をされていますか?
エンジニアリング以外です。
具体的には、社外とのコミュニケーションや社内のマネジメントに加えて、簡易的なデバック、人事採用などで、バナーのデザインなどもぼくがやりました。他にも泥臭くやれることは全部やっています。
戦略と営業をこれから頑張っていこうという感じですね。
ぼくは入って3ヶ月(取材当時)で、まだチケミーの全体像を把握し切れていないのですが、
宮下君は全部把握しているので、ぼくに少しずつ共有してもらい、宮下君の負担を減らしていきつつ、ぼくが出来る部分を追加していっています。
戦略決める思考プロセス
会社の方針など重要な意思決定を行う時は、サービスがどうできているかの理解と既存事例の知識量が絶対に必要だと思います。
こういう事業展開をしていきたいという時に、いかに似たサービスを組み合わせて考えられるかが重要です。
それができるから宮下君は頼ってくれているのかなと思います。
個人的にすごく聞きたい質問なのですが、どういう学習プロセスを踏んだら、赤塚さんのように深い理解まで到達できるでしょうか。
ぼくはエンジニアではないのですが、数学をやってきたバックグラウンドが生きているという印象があります。
Uniswapのボンディングはまさに数式だし、定理を組み立てて証明するという数学のプロセスとスマートコントラクトを組み合わせてサービスを作る、Defiを作っていく思考プロセスはすごく似ています。
どうしたら理解できるかは難しいのですが、公式のドキュメントやホワイトペーパーを読むのが大事かもしれません。
あとは、クリプトのコアディベロッパーが開発してきたスマートコントラクトを一通り読んでみるのが良いと思います。
エンジニアバックグラウンドがある人は、サービスを理解できると思いますし、
ぼくみたいにエンジニアのバックグラウンドがなくても、高校数学くらいの理解度がある方はホワイトペーパーなどを読んで理解できるのではないかと思います。
なるほど!すごく勉強になりました!
そういった場としてクリプト輪読会などの機会はありがたいですね!
営業について教えてください。
営業しているのは、チケット発行サービスですか?グッズも営業を行っていますか?
チケットとグッズの両方営業しています。
個人への営業についてはインターン生と協力しながら行っていて、事業者さんや自治体など大きいところでは、直接お話をしに伺っています。
チケミーはご縁に恵まれているので、向こうからご提案をいただくことも多いです。なので、イベントなどには積極的に出るようにしています。
(pivotより引用)
会社の様子について教えてください。
会社全体で、メンバーは何人ですか?
今、10人くらいです。
エンジニアとビズで半々くらいです。
開発のチームの雰囲気をtwitterで拝見していたのですが、インドのハッカソンに行かれてましたね。
チケミーは、エンジニアとクリエーターをすごく大事にする社内文化があります。
ハッカソンへの出場なども後押ししています。ETH Indiaではいくつも賞を受賞していました。
チケミーには優秀でギークな人が集まっていると思います。
NFTやチケットサービスって割と誰でも思いつくのですが、それをちゃんとクリプトを理解している人がやっているからこそ意味があると思います。
これからのチケミー
今チケミーは、MVP検証が終わりグロースフェーズに入るところで、拡大に向けて必要なポジションが出てきています。
まず、これからマスアダプションに向けて、UI/UXデザイナーを募集しています。
インフラも整えていまして、数万人規模のイベントにも耐えられるように
負荷分散、拡張性のあるサーバー構築が必要です。
今Azureに移行しているので、その点ではバックエンド系のインフラエンジニアを募集しています。
他にも、これから事業拡大していくにあたって営業を募集しています。
あとはインターン生、主に営業になりますが、チケミーを伸ばして行きたい、Web3で何かやってみたいといった方も良い経験が出来ると思います。
編集部より
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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