NFT流通基盤の入口と出口を抑える synschismo株式会社CEO 赤川さんインタビュー

NFT流通基盤の入口と出口を抑える synschismo株式会社CEO 赤川さんインタビュー

更新日 2023/01/20

目次

今回は、synschismo株式会社(シンシズモ) CEOの赤川さんにインタビューさせて頂きました。
synschismo株式会社は、NFTレンタルプロトコルの「RentaFi」(レンタファイ)や、NFTの所有認証ツール「NFTauth」(エヌエフティーオース)を提供しています。
お話を伺って、あらゆる権利を流動化するというビジョンと、創業1年で既にそれを実現させるプロダクトを次々に出している開発スピードに感銘を受けました。

赤川英之さん | synschismo株式会社 CEO
東京大学大学院卒後、2022年3月にsynschismo(シンシズモ) 株式会社を設立。CEOに就任。

本日はよろしくお願いします。まず、赤川さんのご経歴から伺いたいです。
大学在学中に創業なさっていますが、元々エンジニアのバックグラウンドあったのですか?

元々は大学で建築を学んでいました。
僕自身はエンジニアではなくて、趣味で少しWebアプリを作ったり、研究でプログラムを触るくらいで、少しやっていた程度でした。

職業エンジニアではなかったのですね!solidity-jpのイベントでトークン規格について発表されていたのを拝見して、すごいギークな方だと思っていました!
ありがとうございます!技術的なところが好きで調べています。

East Venturesさんの出資時のコメントで、「キャッチアップが速い!ラーニングアニマルっぷりがすごい」とありましたが、すごく納得しました!

NFTレンタル市場への参入経緯

創業後、どういった経緯でWeb3・NFT領域に参入しましたか?
元々起業したいという気持ちがあり、事業機会を探しながらサークルを作ったりプロジェクトを立ち上げたりしていました。
最初は建築の領域でやっていたのですが、建築業界は想像していた以上に様々な事業者が複雑に関係を持っている領域であること、超高度な技術集約であることを感じたため、一旦長期的な目標として据え置きすることにしました。

そもそも技術的な関心が大きい性格でもあったので、当時NFT周りに存在していたギークな雰囲気にいつの間にか魅了されていました。
また、建築業界と比較して領域の成長速度が速く、市場を独占する強者がまだ確立されていない事業ドメインが多いというのが参入のポイントでした。
synschismo株式会社 プロダクト

事業について、まずはRentaFiについて教えてください。
マーケットの潮流とかNFTのレンタル市場は前から注目されてたのですか?

NFT領域に、参入を決めたのは 市場を見つけたのが4月頃です。
2月末まではNFTを買って、コミュニティでワイワイ遊んでいました。
そこからNFTを自分で書くようになって、コレクションを作り始めたりしていたのですが、コレクションだけでは事業を確立するイメージがつかず、もう少しサービスっぽいものを作りたいなと思って。

DeFiは最初リスクが大きいので、NFTの金融領域の可能性が今後広がる可能性を見据えて、NFTFiに注目していました。

4月頃から、NFTFi領域のレンディングやレンタルの市場がグローバルでも少しずつ話題になり始めたので追っていったという流れです。

レンタルについて、実際の生活でも、高額商品になるほど多くの人が所有せずに借りていることが多いので、高額な資産がNFTが紐づいていくほど貸し借りは起きやすくなるのではないかと思いました。
2月3月の時点でNFTが高くて買えないという人が出てきました。そういう人に2、3個ダブって持っている人が貸せるような仕組みがあったらいいなというのが一番最初です。

リリース時の状況を振り返ると、テストネットのクローズドリリースが5月、ERC-4907の承認が7月で、その直後にサービスを正式リリースしています。
このあたりの先見の明と開発スピード、リリースされた直後の対応がすごいなと思っていました。
EIP4907の流れが来るという予測はあったのですか?

ありました。
4907よりももっと前に提案されていたEIPの規格も見ていて、
EIP4907は僕は見落としていたのですが、NFTNYに行っている時に人に教えてもらいました。
これはほぼ採用されるだろうというフェーズになっていたので、すぐに対応せねばと思い、リリースしました。

直近では、2022年12月にNFTauthとNFTmembersがリリースされました。
2つ同時にリリースを出しているのがすごいですね!

NFTmembersは、ビジネス側の組織が比較とか市場調査を含めてエンタープライズ向けにNFT会員権の発行のところまでやりますよというサービスになります。

NFTauthは、QRコードでNFTの所有を認証できるもので、NFTの活用先を増やすために、必要なソリューションだと確信したのでスピード感を持って開発していました。

あらゆる権利を流動化する 一貫したビジョン

今後目指していくところを教えてください。
synschismoは、あらゆる権利を流動化するというビジョンに取り組んでいます。
権利とは広い意味で、サービスを受ける権利や物を使う権利などあらゆる権利がありますが、それらを等分化することで流動的な取引を実現するのが目的です。

NFT流通基盤の入口から出口 プロダクトのシナジー

synschismo レンタル市場シナジー

RentaFiのマーケットプレイスでは、高いNFT、言い換えると高い権利を一時的にレンタルすることでユーティリティを安く使えるようになります。
そういった購入、取引手段の拡大と流通の場をRentaFiでは提供しています。

NFTauthは、どのようなトークンを持っているかを事業者が簡単に確認できるツールです。
流通させるだけでなく、NFTによってトークン化された権利を現実世界に戻す時に、
どう事業者に還元していくかという流通市場の出口の役割になります。

NFTmembersは、市場の入り口の部分になっています。
ただ、最近NFTの配布ツールはかなり増えてきて、なかなか単体で戦えるような領域ではなくなってきてしまっています。
ぼくらは、市場調査や規格にフォーカスをしてB向けに半分コンサルティングのような形でやっていきます。

それらをトータルで見ると、あらゆる権利をトークン化し、RentaFiというマーケットプレイスで流通させ、最終的にはNFTauthを使って権利を照合し、ユーザーが実際に店舗で使用できるような流通基盤全体を今後も担っていきたいと思っています。

RentaFiを一番伸ばす方法は、非クリプトユーザーをいかにオンボーディングするかがすごく重要だと思っています。
オンボーディングする上で入口を作るのも大事ですが、出口も作らないといけないとぼくは感じています。
RentaFiの両側である入口と出口も含めた流通基盤全体を整えていくことでマスアダプションさせることを狙っています。

会社の様子について

次に、会社の様子について教えてください。
創業されたのが2022年3月ですね。
ファウンダーの方は何人くらいですか?どういう出会いだったんですか?

3名で、大学からの友達です。もう5年以上の仲ですね。

ファウンダーの方記事を見てて、非常に勉強になりました。
みなさん、技術、経済に詳しいのですね!

チームは完全フルリモートですが、ライフスタイルに合わせた働き方を作っています。チーム内で定期的な勉強会やビジョンなどの共有を行っています。

今、チーム全体では何人ですか?
全体で業務委託も含め8人くらいです。
ぼくを除くとエンジニア4名でBizdevが3名です。

エンジニアは、バックエンドとフロントとsolidityという感じの構成です。
フロントは細かい開発要件が多いので、フロントの割合を多めにしています。

Bizdevについては、これからサービスを広めるに当たって、マーケティング職も募集していく予定です。

編集部より

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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